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2014年1月17日 (金)

倉本聰さんの「ヒトに問う」

「ヒトに問う」という本を買ってきました。
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この本の中で倉本聰さんは、『あなた方は再び今回のような事故(注:福島第一原発の事故)を想定の内に覚悟しながらも、なお現在の豊かさを望むのか。それとも多少の不便と経済の後退を覚悟して、昔へ戻る勇気を持つのか。』という問いを投げかけている。

倉本さんの問いの根源にあるものは、戦後一貫して日本人が選んできた、便利さ、物質的な豊かさを追求する姿勢への疑問だ。原発が必要になったのは、便利さ、豊かさを追求するあまりエネルギー消費が増加したからだと捉える。

『それまで我々は「質素こそ美徳」と教えられてきた。一つのものを直し、繕い、使えるだけ使うのが善だと教えられた。ところが敗戦でこの思想が一変した。アメリカから流れこんだ資本主義という巨大な津波が、それまでの思想を一挙に流し去り、これからは再生産不能の商品は作ってはいけないのだといきなり云はれ、仰天した。こわれないものは作ってはいけないのだと・・・・(中略)・・・・。大量生産、大量消費、大量廃棄という新しいシステムがまたたく間に日本全土を覆った。そのシステムは多大のエネルギーを必要とし、これまでの主役だった人間自身の持つエネルギーから代替エネルギーへとこれまで以上に、いや、ドラスティックに主役の座を譲った。』
(注:ここでの代替エネルギーとは、人間自身が体を動かすことを代替する器械などが消費するエネルギーのこと)

便利さを豊かさと捉える今の社会システムがエネルギー使用量を増大させているのだから、その社会システムの価値観自体を見直すことが必要ではないかと言っているのだと思います。見直す先は、「昔へ戻る」こと、「質素こそ美徳」だった頃の価値観なのだろう。

今、敢えて「質素倹約」のライフスタイルに向かうことができれば、それはもしかしたら、100年後の世界各国の歴史の教科書に、イギリスの産業革命と同じ程度のインパクトの出来事として掲載してもらえるかもしれない。それくらいの大転換になると思う。

この本、当初図書館で借りてきて読んだのですが、とても興味深い内容なので買ってきました。エッセイ10篇で構成されています。店に置いておきますので、興味のある方はパラパラ読んでみて下さい。お勧めです。

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