ペーパードリップについて
ペーパードリップの手順についてですが、まず全体にいきわたる位の量の湯を注いで、成分が抽出しやすい位に湯がなじんだ頃合いをみて本格的に抽出しています。このやり方自体は割と一般的だと思います。
自分の場合は円錐のドリッパーを用いて、中心あたりを狙って点滴で初期の湯を注いでいくのですが、全体を湿らせるまでに時間がかかるため、最初に抽出される微量の抽出液がペーパーに滲み広がってしまい、なかなかドリッパーに落ちません。
「全体を湿らせて粉に湯をなじませる」ことにある程度時間をかけたいのですが、初期の抽出液はペーパーに滲み広がせることなく、早くペーパーを通過させてドリッパーに落としたい、という、少々矛盾したことをやりたいと考えていました。
ある日、気が付いたのが、円錐ペーパーの下半分くらいをしめらせてから抽出すること。こうすると、乾いたペーパーを使って抽出する場合に比べ、初期の微量の抽出液が早くペーパーを通過するようです。
何度か、乾いたペーパーと濡れたペーパーを使って珈琲を抽出し比較しましたが、私の抽出方法の場合には濡れたペーパーを用いたほうが香りとコクが少し強く出るようです。
話は変わりますが、目の細かい網(茶漉し等)で、トロっとした粘度のある液体(生クリームなどが分かりやすい)を濾す場合も同じで、最初の1滴が網を通過するまではえらく時間がかかり、1滴通過してしまうと、後の液体は比較的スムーズに網を通過します。さらに、網を湿らせてから同じことをすると、最初の1滴が網を通過するまでの時間はずっと短くなります。表面張力かなにかの関係だと思いますが、詳しい理屈は分かりません。
これと同じような現象なのかな、と思っています。
フィルターペーパーを濡らしてから抽出する、というと、よく「紙の匂いを消す為」という説明をする人がいますが、そうではない理由でペーパーを湿らせて抽出してます。興味のある人は試してみて下さい。